イエメンの反政府武装組織フーシは16日、米軍の空母をミサイル18発とドローン(無人機)1機で攻撃したと発表した。実際の被害状況は明らかになっていない。15日には米軍が首都サヌアなどを空爆して約130人が死傷したとされ、フーシが報復を予告していた。

 ロイター通信は、米当局者の話として、フーシの攻撃に対し米戦闘機がドローン11機を撃墜したと伝えた。

 フーシは、パレスチナ自治区ガザで活動するイスラム組織ハマスとの連帯を示し、イスラエルや米国と対立。紅海周辺を通るイスラエルや米国の船舶への攻撃を繰り返してきた。この結果、世界的な貿易の要衝である紅海の航行が困難になっている。

 トランプ米大統領は15日、米軍にフーシへの攻撃を指示したと表明。フーシに対し、攻撃を続ければ「地獄が降りかかることになる」と脅した。

 フーシは16日の声明で、米軍による直近のイエメン各地への空爆は47回にも及んだとし、「大量殺人だ」と非難した。米空母に対する攻撃はこの攻撃への報復だと主張。今後も米艦隊への攻撃を続けるとした。

 AFP通信によると、フーシは1月19日にガザでのイスラエルとハマスの停戦が始まって以降は、周辺海域での攻撃をしていなかった。(今泉奏)