米ロ・ウクライナ、停戦議論加速も道のり遠く 原発米所有案も浮上

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ワシントン=下司佳代子 ロンドン=藤原学思
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 米国が仲介する形で、ロシアとウクライナの停戦をめぐる議論が加速している。19日には米ウクライナの首脳が電話で協議し、ウクライナ中南部のザポリージャ原発を米国が所有する案も浮上した。ただ、実際の停戦までの道のりはまだ遠い。

 ザポリージャ原発は2022年3月からロシアが占拠し、同9月には原子炉全6基の運転が止まった。ただ、使用済み核燃料を冷やし続けるために作業員がいるほか、国際原子力機関(IAEA)による監視も続いている。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、同原発の米所有案はウクライナの希少資源と関係している。両国間で議論されている協定の下では、米企業が将来的にウクライナの資源の採掘や加工を手がける可能性がある。米国は同原発によって電力をまかなえると考えているという。

 米国はまた、それがウクライナの「安全の保証」にも寄与するとみている。国務省のブルース報道官は19日、「米企業の事業体の存在が(ロシアの)攻撃に対する抑止力となるということが、真剣に検討されている」と語った。

 だが、ロシアがいったん占拠…

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この記事を書いた人
下司佳代子
アメリカ総局|米国の外交・防衛
専門・関心分野
国際報道
藤原学思
ロンドン支局長
専門・関心分野
ウクライナ情勢、英国政治、偽情報、陰謀論
  • commentatorHeader
    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2025年3月21日7時6分 投稿
    【視点】

     ウクライナは発電量の半分以上を原子力に依存しています。電力が国家の生命線であることを考慮すると、原発はウクライナのエネルギー主権の中核をなす施設です。 <一方、米側の声明によると、トランプ氏はウクライナの電力供給と原発をめぐり「発電所の

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2025年3月21日7時15分 投稿
    【視点】

     トランプ米大統領によるウクライナの原子力発電所「所有」提案は、核兵器の不拡散の観点からも注目されます。  ウクライナには核兵器を開発する能力があります。また、ソ連時代に核兵器を運用した経験を持つ専門家がウクライナには今もいます。原子力発電

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