斎藤知事へ「ゆっくり読んで」 第三者委委員長が報告書に込めた思い

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 兵庫県の斎藤元彦知事らを内部告発した文書の真偽などについて、昨夏から調査していた県の第三者調査委員会。弁護士で元裁判官の藤本久俊委員長は19日、県庁で会見し、調査報告書の内容を説明した。一連の問題の原因にも言及し、斎藤知事や県幹部らに「ゆっくり報告書を読んで」と諭すように語りかけた。主な発言は次の通り。

 今回の問題の背景と原因について、我々は知事の個人的な資質を問題にするつもりはありません。問題はむしろ制度とか組織の問題で、一番問題なのは(知事と職員との)コミュニケーションの不足。知事は側近を通じた意思疎通を重視し、職員の中には「話を聞いてもらえない」という不満が蓄積されていった。

 知事側も「聞いていない」という問題が多数生じた。そうであれば聞けばいいわけですが、それより先にいら立ちが出てしまったのではないか。それがパワハラの原因にもつながった可能性はある。

 兵庫県の職員は、総じてよく頑張って働く。しかし、それは我慢しすぎにつながる面がある。パワハラに甘い組織風土は、改善されるべきではないか。

 もう一つ申し上げたいのは「同質性」。違う観点から見ることができれば、組織としてブレーキがかかる。しかし、知事の周りにいた方々はチャットであれだけ夜間や休日に仕事を求められても異議を唱えることはなかったし、それがパワハラだと指摘することもありませんでした。今回の文書についても、違う目でものを見るということができなくなっていた。

あの会見が発端

 問題の発端は昨年3月27日…

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    太田啓子
    (弁護士)
    2025年3月20日12時10分 投稿
    【視点】

    本当に「ゆっくり読んで」ほしい。思いのこもった、説諭のような言葉だ。動画をみると、藤本久俊委員長はほとんどペーパーを見ずに話している。 SNSで大量の情報が猛スピードでいきかうなか、真摯な言葉を「ゆっくり読んで」考えることがどれほど重要かを

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兵庫県の内部告発文書問題

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