斎藤知事の対応は「通報者保護法違反」 第三者委、パワハラも認定

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 兵庫県の斎藤元彦知事らを内部告発した文書の真偽などを調べていた県の第三者調査委員会は19日、告発者を捜すなどした斎藤知事らの一連の対応の大半が公益通報者保護法違反だとする調査報告書を県に提出した。斎藤知事のパワハラ行為については、職員アンケートなどで寄せられた16件のうち10件でパワハラと認定した。

 第三者委は、元裁判官3人を含む計6人の弁護士で構成される。県の元西播磨県民局長(故人)が昨年3月に一部の報道機関などに匿名で送った告発文書にあった知事のパワハラなど「七つの疑惑」と、告発者への対応が適切だったかどうかを調べてきた。今月4日には県議会が設置した調査特別委員会(百条委員会)が告発者への対応について「違法の可能性が高い」とする報告書をまとめている。

 第三者委の報告書は、元県民局長の文書配布を、公益通報者保護法上の外部公益通報に該当するとした。疑惑の当事者である斎藤知事らが文書の作成者を捜し、元県民局長の処分決定に関わったことは、「極めて不当」で違法だと結論づけた。また、文書に真実相当性が認められることから元県民局長を不利益扱いしてはならないとして、県が文書の作成・配布を理由に懲戒処分した点は「明らかに違法」で、「懲戒処分は効力を有しない」とした。

 パワハラについては、16項目のうち、出張先で20メートルほど手前で公用車を降りて歩かされて出迎えた職員を厳しく叱責(しっせき)したことや、県の事業が新聞報道で出ると「聞いてない」などと激怒したことなど、計10件を「パワハラに当たる」とした。

 昨年3月27日の記者会見で…

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    大川千寿
    (神奈川大学法学部教授)
    2025年3月19日21時35分 投稿
    【視点】

    斎藤知事自ら設置を決めた兵庫県の第三者委員会の調査報告書が、知事らの公益通報者保護法違反を明確に指摘し、また、知事の相当数のパワハラ行為を認定しました。 斎藤知事は、県議会の百条委員会の報告の際と同様に「対応は適切だった」との立場を維持し

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    三木由希子
    (情報公開クリアリングハウス理事長)
    2025年3月19日23時45分 投稿
    【解説】

     兵庫県のウェブサイトで報告書が公開されているので概要と報告書本体の一部を確認してみました。7つの疑惑のうち、パワハラ以外は問題がある事実は認められなかったとされ、ただし一部について対応に配慮が必要であったという言及に留まりました。一方で、

    …続きを読む
兵庫県の内部告発文書問題

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