公立中で消える水泳の実技授業 必修なのになぜ? 背景に生徒の声も

有料記事

佐藤善一 南島信也 上田真美 本間ほのみ 吉田美智子 高浜行人

 全国の公立中学校で、必修である水泳の実技授業を取りやめる動きが相次いでいる。熱中症リスクやプールの老朽化などに加え、肌の露出を避けたい思春期の生徒への配慮も理由に挙がる。工夫しながら続ける学校もあり、専門家は「水難から命を守るために実技は必要」と訴えている。

 岩手県滝沢市は新年度から、市立中学全6校でプールを使った水泳の実技指導を取りやめる。近年の欠席者の増加や生徒への配慮が理由という。

 市教育委員会によると、コロナ禍以降、体調不良を理由にプール授業を欠席する生徒が急増。大規模校の一つは、2023年度の欠席者の割合が36%に上ったという。

 コロナ禍以降は、児童生徒の健康面への配慮から、体調不良の申し出を「一層尊重する」ことが求められてきた。プール授業でも、学校現場では「無理はさせない」対応が増えているという。

求められる「多方面への配慮」

 加えて、男女両方から「肌を…

この記事は有料記事です。残り2202文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
吉田美智子
ネットワーク報道本部
専門・関心分野
移民政策、欧州政治、地方自治
高浜行人
東京社会部|教育班キャップ
専門・関心分野
学校教育、受験、教育行政
  • commentatorHeader
    井本直歩子
    (元競泳五輪代表・途上国教育専門家)
    2025年3月22日13時16分 投稿
    【視点】

    スポーツ庁の「我が国の体育・スポーツ施設 ― 体育・スポーツ施設現況調査報告 ―」(2023年5月発表)によれば、2021年当時の小学校屋外プールの設置率は87%、中学校は65%。同様の調査で2018年には小学校94%、中学校73%であった

    …続きを読む