トランプ関税は「訳の分からぬパズル」生産移転先の東南アジアも直撃
トランプ米大統領が打ち出した「相互関税」は5日に第一段階が発動され、9日には特定の国・地域により高い税率が適用される。その影響は、輸出で稼ぐ多くの国内企業に及ぶ。日本より高い税率の国もある東南アジアなどに生産拠点を持つ企業も少なくない。影響を読み切れず、対応に苦慮している。
4日、自民党本部で開かれた「米国の関税措置に関する総合対策本部」に、日本自動車工業会の片山正則会長(いすゞ自動車会長)や日本自動車部品工業会の茅本隆司会長(ニッパツ会長)らが出席。終了後に報道陣の取材に応じた片山会長は、部品などの取引先企業を含む供給網(サプライチェーン)を維持するための支援などを求めたと明かし、「サプライチェーンが壊れると修復は難しい。資金的な影響が出れば、ぜひ(支援を)お願いしたい」と強調した。出席議員によると、会議では、輸出が減った分を穴埋めするために国内需要を喚起する支援策を訴える声も出たという。
トランプ氏が2日に表明した「相互関税」は国や地域ごとに税率が異なる。日本からの輸入品には24%の関税をかける。自動車への追加関税25%に匹敵する水準だ。
産業用ロボット大手の安川電機(北九州市)の小川昌寛社長は4日の決算会見で、相互関税について「どういう風に影響してくるか、ますます分かりにくくなった。まだ何も読めていないというのが正直なところ」と話した。業績の最大のリスクは「トランプ関税の影響」と説明。「訳の分からないパズルを作り始めたみたいな感じになっているので、リスクをミニマムにしていく」とした。
二輪大手のヤマハ発動機では、相互関税には、年間の営業利益を押し下げる悪影響が「数百億円くらいある」(設楽元文社長)とみる。米国を主要市場とする船外機などのマリン事業への影響が大きい。主力工場は静岡県にあり、売上高の6割を北米が占めている。
年間の営業利益の下押し「数百億円くらい」
業績への影響が「プラスマイ…
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