八代亜紀さんの写真付きCD、抗議広がる 「リベンジポルノ」指摘も

有料記事

渡辺淳基 上田真美 関口佳代子

 鹿児島市のレコード会社が、2023年に亡くなった歌手・八代亜紀さんの「フルヌード写真」付きのCDを売り出すと発表し、批判の声が相次いでいる。八代さんの意向で生前に設立され、肖像権などを管理する会社は「絶対に許すことはできない」と声明を出し、販売に抗議する署名活動も始まった。識者は「本人の承諾なく性的な画像を公開するリベンジポルノの可能性がある」とレコード会社の姿勢を問題視する。

 このCDは「ニューセンチュリーレコード」が4月21日に発売するとホームページなどで予告。「舟唄」などの収録曲目とともに、20代の頃に同棲相手が撮影した「フルヌード写真2枚が掲載」などと説明する。

 同社の代表取締役、早川寛氏は朝日新聞の電話取材に応じ、「約25年前、八代さんが所属し、後に倒産したレコード会社の関係者から、一部の楽曲の原盤権や、八代さんの公私の写真などを買い取った」などと話した。

 早川氏は「売買契約書もある」と主張。「(CD発売の目的は)あくまでビジネス。何の法律に違反するというのか。文句があるなら権利を買い取ればいい」と話す。

「死者の尊厳を踏みにじることになる」

 八代さんの生前に本人の意向…

この記事は有料記事です。残り994文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
渡辺淳基
熊本総局
専門・関心分野
経済、民主主義
関口佳代子
東京社会部
専門・関心分野
家族、性に関する問題
  • commentatorHeader
    金暻和
    (韓国在住のメディア人類学者)
    2025年4月15日18時40分 投稿
    【視点】

    日本ではいまだに、アカデミー賞のドキュメンタリー部門候補にもなった伊藤詩織監督の『ブラックボックス・ダイアリー』が上映されていない。理由のひとつとして挙げられているのが、防犯カメラ映像の「無断使用」である。だが、そもそも防犯カメラは公的な安

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    松谷創一郎
    (ジャーナリスト)
    2025年4月16日11時36分 投稿
    【解説】

    今回の八代亜紀さんをめぐるCDの問題について、音楽業界の構造と権利関係から解説します。 音楽業界では、歌手が契約を結ぶ相手は主にふたつあります。所属する芸能プロダクション(エージェント、マネジメント)と、レコード会社(CDなど音楽制作)で

    …続きを読む