卒業式参加の不登校生徒を平均台に座らせる さいたま市立中が謝罪

杉原里美
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 さいたま市の市立中学校で3月にあった卒業式で、不登校の卒業生6人に椅子が用意されず、平均台に約3時間座らされていたことがわかった。市教育委員会は「非常に配慮に欠ける対応だった」として、校長を厳重注意し、校長は6人と保護者に謝罪した。

 学校や保護者らによると、卒業式は3月14日に体育館で開かれ、式典の間、卒業生約300人と保護者は1階フロアで椅子に座った。一方、長期欠席や不登校傾向があった6人は2階ギャラリーで参加。校内にある相談室の相談員に引率されたが、椅子がなかったため、その場にあった平均台に座った。

 校長によると、6人の椅子は前日に2階へ運ばれていたが、6人の座る場所が全ての教職員に伝わっておらず、別の場所に並べられたという。式当日、6人と同じ場所には数人の教員もいたが、学校側は「記録用のビデオをのぞいていたため気づいていなかった」としている。

 「腰とお尻が痛かった」という生徒の訴えを受けた保護者の一人が学校側に連絡。学校側は事実関係を認めた。

 校長は取材に対し、「卒業式という大切な日を傷つけてしまい、おわびのしようもない」と述べ、「教職員の間で情報伝達を徹底し、人権意識を向上する研修など再発防止に取り組む」としている。平均台は撤去したという。

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この記事を書いた人
杉原里美
さいたま総局|県政・教育担当
専門・関心分野
家族政策、司法のジェンダー、少子社会、教育
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    武田緑
    (学校DE&Iコンサルタント)
    2025年4月16日7時38分 投稿
    【視点】

    見出しを見て、あえての差別的な扱いかと思い、怒り混じりに記事を読みました。 読むとなるほど・・・。どの学校でも、十分ありうる話だなと思いました(あっていいという意味ではありません)。 きっと悪意はなかったのでしょうけれど、学校に来づらさを抱

    …続きを読む