停戦の終わり、信じたくなかった 爆撃音響く「日常」に戻ったガザで

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ハンユニス=ムハンマド・マンスール 構成・エルサレム=高久潤

 イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの攻撃が、約2カ月間の停戦が終わるかたちで再開され、2023年10月からの戦闘の死者は23日に5万人を超えた。戦闘再開の瞬間から、ガザの人たちは何を感じ、どう動いたのか。現地からムハンマド・マンスール通信員が報告する。

マンスール通信員、ガザからの報告

 私は、ガザに住む多くの市民たちと同じように、今も南部ハンユニスで家族たちとテントに住んでいる。空爆と砲撃、そして地上軍の攻撃から解放された喜びはすぐに終わった。戦闘が止まっていた間、不安と疲労に苦しんでいた。

 「今後もテント暮らしなのか」「いつか、自分の家を取り返して生活を始められるのか」

 夜が更けていくなか、考えても答えの出ない問いばかりが頭に浮かんでいた。

 イスラエル軍が攻撃を再開した18日の未明も同じだった。偵察機の音がいつもより騒がしいように感じたが、激しい疲労で全身が重く、私は気づくと眠りに落ちていた。

人々の悲鳴、近づく爆撃音

 午前2時過ぎだった。連続し…

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この記事を書いた人
高久潤
エルサレム支局長
専門・関心分野
グローバリゼーション、民主主義、文化、芸術
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    川上泰徳
    (中東ジャーナリスト)
    2025年3月25日9時56分 投稿
    【視点】

    この記事が、ガザ在住のパレスチナ人ジャーナリスト、ムハンマド・マンスールさんの最後の現地報告となってしまった。私はこの記事を昨夜(24日)読み、今朝、目を覚ますと、マンスールさんがイスラエル軍の攻撃で死亡したという記事を見て、言葉を失った。

    …続きを読む
イスラエル・パレスチナ問題

イスラエル・パレスチナ問題

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