「万博の成否は前半戦」幹部の皮算用 孤島がはらむ混雑と気象リスク
大阪・関西万博が幕開けを迎える。2005年の愛知万博以来、20年ぶりとなる日本での万博だが、今回は初の「孤島」での開催という特性から、来場者数をコントロールしなければならない。万博の成否は、「前半戦」でいかに来場者を集められるかにもかかっている。
開幕まで1カ月を切った3月17日、大阪市内で非公開で開かれた日本国際博覧会協会の理事会。ある理事がこう迫った。
「国内で出ている万博の情報は、(公式キャラクターの)ミャクミャクとか一部のインフルエンサーのおどけた、楽しそうだねというものだけ。万博の真面目な側面が出ると、国民が離れると心配しているのか。万博の宣伝のあり方は国民を馬鹿にしている」
理事会では、開幕から早い段階でいかに来場者を呼び込むのかが議論となった。協会側はインフルエンサーらによる発信に取り組むと説明したが、理事がその姿勢に異議を唱えた形だった。協会幹部は万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」に触れ、「どうしても目立つのがインフルエンサーだが、命と未来について考えるという真面目なテーマはしっかり訴求していきたい」と釈明した。
乏しい陸路「行きたいのに入れない」恐れも
協会が、早期の来場を促すことに躍起になるのは、今回の万博には会期前半のスタートダッシュが欠かせないからだ。
協会は、10月までの会期を通じて2820万人の来場者をめざす。1日平均で15万人が訪れる計算だが、過去の万博をみても来場者は会期末に向けて増える傾向にある。今回も「4月、5月の予約状況が厳しい」(財界幹部)のが現状だ。
今回の万博は混雑や事故を避…
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