急な天候変化「防ぎきれず」「学校の責任」奈良の落雷事故、学校会見
奈良市の帝塚山中学・高校グラウンドで、落雷によって部活動中の6人が救急搬送された事故を受け、同校が12日、記者会見を開いた。小林健校長は急激な天候の変化で「防ぎきれなかった」とし、「学校で起きたことなので、学校の責任と考えている」と述べた。
落雷は10日午後5時50分ごろに発生。サッカー部の男子中学生5人、野球部の女子高校生1人が搬送された。中学生2人が意識不明の重体で、ほかに中学生1人が入院している。
同校によると、当時はサッカー部と野球部、テニス部が活動し、生徒115人や教員7人らがいた。
午後5時40分ごろに降り始めた小雨がやんだ後、今度は強い雨が降り、サッカー部の顧問の一人が雨雲レーダーを確認しようとした時に突然、落雷。事前に雷鳴は聞こえていなかったという。
救急車を待つ間にAEDを使って被害を受けた生徒の心肺蘇生が施された。
奈良県内には10日朝から雷注意報が出ていたが、現場の教員のうち6人は把握していなかった。落雷が見込まれる際の中止の判断は部活動ごとに委ねられており、サッカー部の顧問の一人は「雷注意報は日頃から回数が多く、この日は認知していなかった」と話しているという。
グラウンドには避雷針のついた屋根つきのスタンドがあった。小林校長は「防ぎようがなかったとも思う」と話し、「傷つかれた生徒のみなさん、何より入院されている生徒とご家族のことを思うと、本当におわびの言葉もございません」と述べた。
同校は11日を休校としたが、12日に授業を再開。スクールカウンセラーなどが生徒のケアにあたった。保護者には、学校の連絡網を通じて概要を説明した。今後は第三者による調査委員会を設け、事故の検証を進めるという。
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- 【解説】
昨年と今年、サッカーの部活動中の4月に大きな落雷事故が続きました。日本サッカー協会は昨年宮崎で落雷事故が起きた後、落雷事故予防のガイドラインを大きく改訂しました。新しいガイドラインには、雷注意報や雷ナウキャストなどを挙げ「情報収集するように
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