「小林製薬からの情報ない」 紅麴問題、対応に追われる原料使用企業

有料記事

松田史朗 森下友貴 西村宏治

 小林製薬の紅麴(こうじ)原料を購入した企業が、顧客への対応に苦慮している。原料は少なくとも173事業所に流通。原因が不明なため自主回収の対象は幅広くしなければならず、経営への影響も見通せない。それでも同社からの情報提供は不十分といい、「顧客に説明したいのに、報道以上のことが分からない」と不満が高まる。

 「紅麴そのものに悪いイメージがついた。もう紅麴を使った製品はつくれないかもしれない」

 沖縄県の「海洋食品」の営業責任者は、そう嘆く。手がけていたのは「東洋のチーズ」と言われる「豆腐よう」。豆腐を紅麴などで発酵させて作られる沖縄の伝統食だ。

 同社では小林製薬の紅麴原料を使っていたため、3月25日から返品などに応じてきた。白麴など別の原料を使う製品の開発も急ぐが、「製造には最低3~4カ月かかる」と苦しい状況が続く。

取引企業は最大3.3万社に

 小林製薬が3月22日に問題を公表してから2週間がたち、影響は各所に広がってきた。

 小林製薬が直接、紅麴原料を…

この記事は有料記事です。残り1036文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
西村宏治
経済部|関西経済
専門・関心分野
経済、ビジネス、国際関係
「紅麴」サプリ問題

「紅麴」サプリ問題

小林製薬は2024年3月、紅麴(こうじ)の成分を含んだサプリメントを摂取した人から健康被害の報告があった発表しました。紅麴を原料にした食品などにも、影響が広がっています。[もっと見る]