なぜウクライナ支援に反対するのか ハンガリーと向き合うEUの未来

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ブリュッセル=牛尾梓

 2月1日に臨時の欧州連合(EU)首脳会議が開かれます。昨年12月の定例会で、東欧ハンガリーが4年間で最大500億ユーロ(約7兆8500億円)に上るウクライナ支援の予算案に反対。全会一致が原則の議案のため、財政支援を滞らせられないと臨時の首脳会合を開かざるを得なくなりました。臨時首脳会議では、昨年のウクライナ加盟交渉に合意したと時と同様に、「ハンガリー抜き」を模索する動きが出ています。

 EU政治を専門にする新潟国際情報大学の臼井陽一郎教授は、現在のこうした状況は、今後のウクライナ支援、さらにはEUのあり方さえも変える可能性があると指摘します。

 ――ハンガリーのオルバン首相は、今回のウクライナ支援だけでなく、様々な場面でEUの政策に反対しています。

 これは歴史的な背景から見る必要があります。オルバン氏のような権威主義的な政治家が受け、支持されるようになったのは2010年以降です。ポーランドやスロバキアなどいわゆる中東欧諸国でも同様の動きが見られました。

 これにはいくつかの要因があ…

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この記事を書いた人
牛尾梓
欧州総局|欧州連合(EU)担当
専門・関心分野
国際政治、データジャーナリズム、AI、OSINT
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    増田ユリヤ
    (ジャーナリスト)
    2024年1月31日17時38分 投稿
    【解説】

    EUに関しては、すべてにおいて足並みをそろえなければいけないという点で、幾度となく不満の声は上がってきた。私自身、2021年以降、総選挙の取材も含め、ハンガリーに取材に通うようになって今日に至るが、アメリカなどと同じ傾向で、首都ブダペストを

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