ジャニーズCM中止は英断か 専門家「しっぽ切りで終わりではない」
故ジャニー喜多川氏の大規模な性加害問題をめぐり、ジャニーズ事務所所属タレントの広告への起用を取りやめる企業が相次いでいます。こうした動きは、被害者の救済や再発防止につながるのでしょうか。「ビジネスと人権」を専門に企業を支援するオウルズコンサルティンググループのコンサルタント若林理紗氏に聞きました。
――タレントの広告起用とりやめを表明する企業が相次いでいます。
「7日の事務所の会見内容では社名や株主構成の変更がなく、経営が刷新されたとは見えなかった。人権侵害の影響が深刻であるほど、それを起こした企業がすぐ変わる姿勢をみせない限り、取引をやめることはやむを得ない。その上で、多くの企業が性加害を許容しないという姿勢をきちんと表明した点は評価できる」
――取引を停止しない企業は、問題なのでしょうか。
「取引先も含めて人権侵害がないか調べる『人権デューデリジェンス(DD)』の本来の考え方では、すぐに取引を停止するのではなく、取引を継続しながら人権侵害の解決を働きかけるのが定石だ。今回のケースでも、取引を続けるという選択ももちろんありうる」
「ただ、漫然と取引を継続するのではなく、被害救済や再発防止に向けて改善を強く要求し、その内容や結果を公表することがセットで求められる。取引を続けることは、性加害を容認する姿勢だととらえられるリスクがあり、取引を続けるならその判断の根拠を説明する責任がある」
「タレントに非ない」は理由にならない
――継続する中には「タレントには非がないから」と説明する企業もあります。
「タレント自身に非がないのはその通りだが、企業が取引停止をしない理由にはならない。『タレントに非がないから』という理由だけで取引を続ける姿勢は、取引先の人権侵害に介入するための人権DDのプロセスを踏まえておらず、企業として正しくないと言える」
――取引を停止すると、雇用を奪うなどの影響は考えられませんか。
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- 【視点】
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