下馬評をはるかに超えた相互関税 トランプ氏「経済的自立宣言だ」

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ワシントン=榊原謙
【動画】トランプ大統領が相互関税の詳細を発表した=ロイター
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 トランプ米大統領が2日発表した「相互関税」は、事前の下馬評をはるかに上回るインパクトがあった。第1次政権時には「ディール(取引)」のための道具という印象も強かった関税。当時とは明らかに一線を画す強硬さの背景には、トランプ氏が関税に求める役割の根本的な変質がある。

 歴代大統領が重要な発表をする場に選んできたホワイトハウスの庭園「ローズガーデン」。2日午後、全閣僚や下院議長らに加え、各地からの労働者や支持者らを集めた一大イベントで、星条旗をバックにトランプ氏はこう口火を切った。

 「2025年4月2日は永遠に記憶されるだろう」

 あらゆる国に一律10%の関税をかけたうえで、特に高い貿易障壁を持つ国に対しては、さらに高い税率を課す――。異例となる2段階の構造を持つ相互関税は、メディアや市場の事前予想をはるかに上回る内容だった。

 ①ほぼ全ての国に対する一律関税、②国ごとに税率を変える相互関税、③対象国・税率を絞った関税――。米紙ウォールストリート・ジャーナルは発表直前の1日、政権内でこの三つの選択肢が検討されていると報じた。

 だが、フタをあけてみれば…

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この記事を書いた人
榊原謙
アメリカ総局|米国経済担当
専門・関心分野
米国経済、世界経済
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    市原麻衣子
    (一橋大学大学院法学研究科教授)
    2025年4月3日16時54分 投稿
    【視点】

    相互関税を一斉に他国に掛け、交渉材料を先に示すことでアドバンテージを取る戦略だろう。言動から推察するに、トランプは共感力のない人物だと思われるため、今後も相手国の感情や協力関係などを考え態度を改めるといったことは考えにくい。第1期目と異なり

    …続きを読む
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