マイナ保険証、介護現場に対応策マニュアル 課題は5年後更新の負担

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中村靖三郎 森本美紀
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 マイナンバーカードの管理方法や「出張申請」の手順――。「マイナ保険証」への一体化をめぐり、政府は介護が必要な人たち向けの対応策をマニュアルにまとめた。現場からの懸念に対し、具体策がようやく示された。だが、5年ほど後には更新手続きが必要になる。負担増などの課題は施設側にも自治体側にも残ったままだ。(中村靖三郎、森本美紀)

 マイナカードの取得には厳格な本人確認が要求され、申請か交付時に対面での手続きが必要とされる。これが外出などが難しい人にはハードルだった。デジタル、総務、厚生労働の3省庁が8月上旬に示した対応策では、市区町村の職員や委託事業者が個人宅や施設を訪れて申請を受け付けたり、交付時はカードの郵送や代理人の受け取りを可能にしたり、本人が役所に行かなくても済む手順を明示した。

 また、カードは様々な手続きにも使えるため、保管や管理が負担になるとの懸念に対し、施設側の管理方法をマニュアル化。鍵付きのロッカーなどでカードを保管し、管理する職員の範囲を定めるといった手順を示した。

 政府は認知症などで暗証番号の利用が難しい人には、暗証番号が不要なカードを11月ごろに交付する予定。コンビニでの書類交付などの暗証番号を使う手続きはできないが、保険証としての利用は可能としている。

 ただ、マイナカードには有効期限があり、更新手続きも必要。カードの有効期限は10年(未成年は5年)だが、カードに内蔵された電子証明書は5年と短く、更新しないとマイナ保険証としても使えなくなる。更新の際にも申請時と同様、対面の手続きが必要になる。

「健康保険証を預かる以上に責任重い」

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この記事を書いた人
森本美紀
くらし報道部
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障害福祉、介護、認知症、生きづらさ、単身社会 、高齢化するマンション
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