植田総裁は「責任逃れの論理」に染まったか いばらの道さけた弥縫策
編集委員・原真人
日本銀行が28日、植田和男総裁のもとで初めて動いた。政策の柱であるイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)の一部を修正した。
とはいえ主要国の中央銀行で、日銀だけが続けている「お金のバラマキ」そのものをやめるわけではない。超金融緩和は基本的に続けるという前提での「微修正」にすぎない。
それでも、この日の市場は激しく反応した。政策修正のニュースが伝わると、外国為替市場では急な円高ドル安が進み、日経平均株価は一時800円超も下げる場面があった。長期金利も上昇した。
10年超に及んだ「異次元緩和」を手じまいするのだから、そのくらいの洗礼を浴びるのは当然だろう。本格的な出口戦略では、こんなものではすまないはずだ。国債市場も株式市場も、日銀が買い支える相場でなくなれば巨大なショックが起きるのは避けられない。そのことが国民には認識されていないのではないか。
当の植田日銀はどうか。
物価と賃金がともに上昇する…
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