おいしい日本酒を醸すデータとは 伝統の「食」の現場で進むDX
前川浩之
伝統の技や目利き力がものを言う「食」の現場で、デジタル技術の活用が進んでいる。経験で培われる技術も、データとして蓄積すれば、品質向上や効率化に生かせるという。デジタル化による変革を意味するDX(デジタルトランスフォーメーション)が、食の現場でも起きはじめている。
天保3(1832)年創業の「楯(たて)の川酒造」(山形県酒田市)は、酒造りのデジタル化で知られる老舗酒造だ。
データ担当の高橋哲さん(48)は、数百万円するスイス製の測定機器などを駆使し、細かな数字とにらめっこする日々を送る。「お米のデンプンが分解されすぎてもダメ。良いバランスの発酵を見極めるのに、データは欠かせない」
酒を醸すタンク内の温度やア…
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