ブルキナファソで軍がクーデター イスラム過激派抑え込めず不満募る

ナイロビ=遠藤雄司 ニューヨーク=藤原学思
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 アフリカ西部ブルキナファソで軍の一部がクーデターを起こし、国営テレビを通じて24日、政府や議会の解散、憲法の停止、国境封鎖などを発表した。AP通信などが伝えた。カボレ大統領の所在は明らかになっていないが、軍が拘束した可能性が指摘されている。

 報道によると、クーデターを実行した反乱兵らは「防衛と復興のための愛国運動」を名乗っており、憲法の停止などを宣言した声明文に署名しているダミバ中佐が率いているとみられる。声明では、カボレ政権がイスラム過激派の抑え込みに失敗し、治安が悪化していることなどを指摘してクーデターを正当化。夜間外出禁止令も発令した。

 ブルキナファソでは23日、複数の軍事基地で軍幹部の交代や物資の供給などを求めて反乱兵が暴動を起こしていた。国内で近年、「大サハラのイスラム国(ISGS)」などイスラム過激派の活動が活発化しており、12月には軍の兵士50人以上が殺害された。十分な物資や訓練が与えられていないとして、軍側に政府への不満が高まっていたという。

 国連のグテーレス事務総長は24日、ブルキナファソ情勢について「強い懸念を持って注視している」とする談話を報道官を通じて発表した。カボレ大統領の所在と安全を特に心配しているという。

 グテーレス氏は今回の動きを「武装勢力によるクーデター」と表現。「武力によって政府を転覆しようとする試みを強く非難する」とした。また、クーデターの首謀者に対し、武器を捨て、カボレ氏の身の安全を確保するよう訴えている。

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この記事を書いた人
遠藤雄司
国際報道部・業務担当次長
専門・関心分野
アフリカ情勢、紛争、災害、事件