「帰還兵」の犯罪報道を禁止 ロシア大統領府 目立つ凶悪事件を懸念
ウクライナ侵攻から帰還した兵士の犯罪を報道するな――。ロシア大統領府が最近、親プーチン政権系や国営のメディアに対してこんな指示を出したと、ロシア語の独立系メディア「メドゥーザ」が24日、伝えた。民間軍事会社ワグネルの元戦闘員らによる殺人やレイプなどの凶悪事件が相次いで報じられ、「国民が兵士の帰還を恐れないようにするため」としている。
政権に近いメディア関係者の話として伝えた。これまでは、ウクライナ侵攻と関連づけて犯罪を報じることで「読者の関心を引き、クリックされやすくなる」として、親政権系メディアの一部も積極的に報道していたという。
ただ、ロシア南部ロストフ州で10月中旬、ワグネルの元戦闘員の男が祖母を殺害する事件が発生した。2カ月前にウクライナから戻ったが、仕事を見つけられず、車いすで暮らす女性に金を要求していたという。
ほかにも、ワグネルの元戦闘員が6人を殺害した容疑で逮捕されたり、女性をレイプして大けがを負わせた疑いで指名手配されたりするなど、帰還兵の仕業とみられる凶悪事件が相次いでいる。
■背景に、国民の根強い懸念…
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