昭和生まれ、走り続ける 朝デジ動画で運転士の気分

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 東京・新橋と横浜間に日本初の鉄道が正式開業してから150年。近代化や経済発展を支えながら発達してきた鉄道ですが、都市への人口集中や少子化などの影響もあり、1980年代をピークに地方では利用者の減少が続いていて苦境に立たされています。それでも各地の鉄道会社は、様々な形でローカル線の魅力を伝えることで利用者を増やし、地域の足を残そうとしています。

 国鉄時代の車両を守り、走らせ続けることもその一つ。懐かしい車両の走る姿を求め、全国から多くの鉄道ファンがローカル線を訪れています。

 朝日新聞デジタルでは各地のローカル線を訪ね、そうした取り組みを取材。運転室にカメラを設置し、ブレーキなどを操作する運転士の手元の様子や運転席から見える沿線の風景を撮影した「前面展望動画」として収めました。エンジン音や駅名案内の音声と合わせて、実際に乗っているかのような臨場感ある映像をご覧頂けます。また、運転士や整備士による車両の解説なども動画で紹介し、ローカル線の魅力をお伝えしています。(白井伸洋、写真は筋野健太)

 ■QRコードから展望映像

 QRコードから各鉄道の前面展望動画をご覧いただけます。運転士の解説などの関連動画へは記事本文にあるリンクなどからお入りください。

 ■弘南鉄道 青森

 豪雪地帯の青森県西部を走る弘南鉄道。雪深い冬の鉄路を守る上で欠かせないのが、ラッセル車です。線路の上に積もった雪を取り除き、旅客列車が安全に走るために活躍しています。

 弘南線を走るラッセル車は、昭和初期に造られた「キ104」。朝日新聞デジタルでは、除雪以外にも鉄道ファンに人気の貸し切り運転の取り組みや、3人1組となって除雪運転をする大変さなどを紹介しています。

 また、動画では、普段は入ることのできないラッセル車の車内を撮影。全面木張りのレトロな車内やダルマストーブのほか、旋回窓のある運転台の様子がご覧になれます。前面展望では、一面の銀世界を走る場面や、除雪のために駅構内を何度も往復したり、排雪翼が動いたりする様子を見ることができます。

 ■北条鉄道 兵庫

 兵庫県加西市などを走る北条鉄道には、昨年、秋田からやってきた国鉄型車両の「キハ40形」が仲間入りしました。JR五能線を走っていた車両で、クリーム色に青色の線のデザインが特長。このデザインのまま兵庫の田園風景を走る姿が、鉄道ファンの心をつかんでいます。

 朝日新聞デジタルでは、キハ40形の購入に携わった同社の運転士、坂江大宗さんを取材。前面展望動画では、所々で坂江さんの解説を盛り込んでいます。沿線風景の見どころやブレーキ操作の難しさなどの話が楽しめます。

 その他にも、坂江さん自身が、車両のあちこちにあるJR五能線時代の名残や設備を紹介する動画もご覧頂けます。

 ■いすみ鉄道 千葉

 千葉県房総半島東部を走るいすみ鉄道で昨年11月、「キハ28形」が定期運行を終えました。運転日には大勢の鉄道ファンや観光客が全国から押し寄せ、沿線の駅や踏切でカメラを構える人気車両でした。

 朝日新聞デジタルでは、定期運行が終わる約1カ月前、運転席からの前面展望動画を撮影。また、別動画ではキハ28形を長年整備してきた、いすみ鉄道の影山忍運輸課長にインタビュー。古い車両ならではの整備の大変さなどを語ってもらい、車両のエンジンや台車などの床下機器について解説してもらいました。動画後半には、大多喜駅から車両基地に入る前面展望動画も。一般的にはなかなか見ることができない貴重な映像です。

 ■水島臨海鉄道 岡山

 岡山県倉敷市の水島臨海鉄道には「キハ37形」「キハ38形」「キハ205」の三つの古い車両が残っています。3両はクラウドファンディング(CF)で集まった資金を元に、国鉄時代のデザイン色への塗り替えや整備などが進められ、生まれ変わりました。

 朝日新聞デジタルではキハ37形、キハ38形の車両が、CFの返礼イベントとして、普段は走らない貨物専用線の「港東線」を運行する様子を取材。前面展望動画では、工場地帯の中を走る貴重な様子を映像に収めています。

 また、5カ月の修理を経て復活した、キハ205の修理に携わった整備士の思いや、独特の駆動音でファンに人気がある「DMH17系エンジン」などを紹介する動画がご覧いただけます。

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