備蓄米「小出し」放出、専門家から疑問の声も 価格押し下げ効果は?

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山田暢史 内藤尚志
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 政府の備蓄米を追加で放出するよう、石破茂首相が9日、江藤拓農林水産相に指示した。すでに放出を決めた約21万トンはスーパーなどの小売店に届き始めたばかりだが、コメの高騰を抑えるには流通量を増やす必要があると判断した。だが、「小出し」の繰り返しではコメの不足感は解消されず、高値が当面続くとの見方も出ている。

 首相は新米への端境期にあたる7月まで毎月放出するよう指示した。農水省は今月下旬に入札をして10万トンを出す。5~7月の放出量は未定としている。江藤氏は記者団に「流通の世界においてコメが足りない状況は解消する」と述べ、高値で仕入れたコメに安い備蓄米を混ぜて売価を抑えるよう、業者側に促した。

 農水省は備蓄米として100万トン程度を保管してきた。放出は凶作や災害時に限ってきたが、昨夏からのコメの高騰が収まらないなか、落札した業者から原則1年以内に買い戻すことを条件に、流通に支障が生じている場合にも出せるようルールを変更。約21万トンの放出を決め、今年3月に2024年産14万トンと23年産7万トンを2回にわけて入札を実施した。

 農水省によると、3月24~…

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この記事を書いた人
山田暢史
東京社会部|メディア担当
専門・関心分野
農林水産業、食、武道、災害
内藤尚志
経済部
専門・関心分野
雇用・労働、企業統治(ガバナンス)、経済政策
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