ヨウジ、サカイ、ジュンヤ…パリとミラノで際立った日本勢の創造性

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編集委員・後藤洋平
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 2月から3月にかけて開催された2025年秋冬シーズンのパリ・ファッションウィーク(PFW)、ミラノ・ファッションウィーク(MFW)には、数々の日本ブランドが公式参加した。他国のブランドは主に大手ファッショングループ傘下だが、日本勢はほとんどが独立資本。今回もトレンド一辺倒ではなく、独自の創造性で存在感を放っていた。

 PFWには多くの日本ブランドが公式参加。サカイはジャケットやアウターに加えて大判のストールで身を包むようなスタイリングを何度も繰り出し、喝采を浴びた。ボリュームのある上半身と、ミニ丈のボトムス。上部をベルトで絞ってレザーを波打たせるブーツ。デザイナーの阿部千登勢は、ファッションにおいてはアンバランスや違和感が時に、強くプラスに働くことを熟知している。バックステージでは体全体を包み込むラッピングのスタイリングに言及し、「優しさ、包まれる感覚を、この場にいるみんなと共有したかった」と笑った。

 35周年記念となるシーズンを迎えたアンダーカバーは、自身が選ぶ過去の「ベスト」だったという、04年秋冬コレクションを生まれ変わらせた前衛的な作品群。フランスのぬいぐるみ作家アン・ヴァレリー・デュポンの作品と歌手パティ・スミスのスタイルを着想源にしたものだ。デザイナーの高橋盾(じゅん)は「今感じる時代感と大人のカジュアルスタイルを中心に生まれ変わらせようと試みた。ただのリメイクではない、新たなコレクションになったと思う」と説明。会場は大きな拍手と歓声に包まれた。

装いに織り込んだ「日本の文化」

 大御所ヨウジヤマモトはミニ…

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この記事を書いた人
後藤洋平
編集委員|ファッション・メディア・文化担当
専門・関心分野
ファッション、メディア、文化