雑談は役に立つ、でも苦手…第一人者が伝授「話し上手でなくていい」

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聞き手・佐藤陽

 「雑談」って無駄なものに見えますが、実は人間関係の構築や職場の生産性の向上に、とても重要な意味をもっています。でも「どうも雑談が苦手で……」という人、決まったテーマがないとどう話を続けていいかわからない人も、少なくないのでは。そこで応用言語学が専門で「雑談研究の第一人者」である清水崇文・上智大学教授に、そのコツや効用について聞きました。

     ◇

 ――そもそも「雑談」の定義って、何ですか?

 辞書を引くと、「とりとめのない会話」「はっきりした目的も、まとまりもない話」などとありますが、私はもっと深いものだと思っています。雑談には、当事者間のラポール(信頼関係)を築き、良好な人間関係を育み、物事を円滑に運ばせる、というちゃんとした目的があるのです。お互いに自分のことを話すことで(相互自己開示)、他人を身近な存在としてとらえ、信頼関係を築いていく、というのが雑談の本質です。

 ――なるほど。でも生産性を追求すべき職場でも、雑談は必要ですか?

 はい、とても大事です。職場の人間関係を良好にする、有効なツールだからです。国内外の様々な調査研究で、「職場に親友がいる人は、エンゲージメント(社員が会社に対して抱く愛着や貢献意欲)が7倍高い」「『短時間でも雑談していること』が、離職意向の減少に最も影響する」などの結果が出ています。

 雑談を重ねることで、社員の…

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この記事を書いた人
佐藤陽
文化部be編集部
専門・関心分野
終末期医療、看取り、メンタルヘルス
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    三浦麻子
    (大阪大学大学院教授=社会心理学)
    2025年3月16日7時56分 投稿
    【視点】

    大学の講義や外部の講演等で,その場にいる人たちで一時的にペアやグループを作り,ディスカッションや作業をしてもらうことがよくあります.その時は,必ず本題に入る前に自己紹介と雑談の時間を数分取ります.アイスブレイキング,と言われますが,文字通り

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    島沢優子
    (ジャーナリスト・チームコンサルタント)
    2025年3月16日12時5分 投稿
    【視点】

    私は、スポーツの不適切指導や子育ての相談を「日曜雑談」というかたちで毎週受けています。相談となるとうまくまとめなきゃと焦りがちなので、最初に「おしゃべりしよう」と呼びかけると、嬉しそうに話してくれます。子育てについては子どもへの不満が多いで

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