高校生平和大使や被団協関係者、核廃絶を訴える 核禁条約会議を機に

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ニューヨーク=遠田寛生 青山直篤

 核兵器禁止条約の第3回締約国会議が開かれている米ニューヨークの国連本部の近くで5日、核廃絶を呼びかけるデモや催しが開かれた。日本からの「高校生平和大使」や、ノーベル平和賞を受けた日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)事務局次長の浜住治郎さん(79)らが思いを訴えた。

 高校生平和大使としてデモに参加した長崎西高2年の小林真夕さん(17)は英語で「被爆者は涙や怒り、悲しみとともに経験を共有し、聞かせてくれた。私はそこから学び、引き継いでいきたいと心に決めた」とあいさつした。

 その後、核兵器の被害者への支援を議論するイベントが開かれた。胎内被爆者の浜住さんは、生まれる前に原爆で亡くなった父親の話を語った。原爆投下の翌日、爆心地近くまで捜しに出た家族が「焼けた熱さ、死体の臭い、耐えきれない思いの中で捜しても、父を見つけることはできなかった」と振り返った。

 その上で、国際情勢が悪化し、核兵器が使われる危険性は高まっていると警鐘を鳴らした。「被爆者にとって核兵器や『核の傘』は(惨禍の象徴である)キノコ雲以外の何物でもない。核兵器は1発たりともあってはならない」と呼びかけた。

 米国が太平洋マーシャル諸島…

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この記事を書いた人
青山直篤
ニューヨーク支局長
専門・関心分野
米国、国際政治・経済、日米関係、近代史