青山直篤
現在の仕事・担当
ニューヨーク支局長として、米国からの報道に取り組んでいます。
バックグラウンド
1981年生まれ。2003年東京大学法学部卒業。共同通信記者を経て米タフツ大学大学院フレッチャースクール修了。2008年朝日新聞入社。GLOBE編集部、経済部などを経て、18-22年、アメリカ総局で経済・通商担当。天声人語担当の論説委員補佐、国際報道部デスクを経て、25年1月からニューヨーク支局長。
高校3年の時、「プレジデンシャル・クラスルーム」という教育事業で初めてワシントンを訪れました。アメリカの国力に圧倒され、「なぜ日本はこのような国と戦争をしなければならなかったのか」という強い疑問を抱きました。答えを少しでも見いだしたいと考え、大学時代は日米学生会議や、北岡伸一教授(当時)の日本政治外交史のゼミで学びました。おぼろげながら見えた「答え」が「軍を含む官僚制を十分に統制できなかった日本の民主主義の弱さ」であり、記者として書くことを通じ、民主主義に貢献したいと考えました。共同通信社の金沢支局、名古屋支社で勤務の後、さらに日米関係史を学びたいと考え、米タフツ大学大学院フレッチャースクールに私費で留学しました。2年目は恩師の名を冠したJohn Curtis Perry Fellowに選ばれ、修士論文は1920~30年代のワシントン体制の崩壊過程をテーマとしました。
2008年に朝日新聞社に入り、日本と世界について取材を通じてさらに多くのことを学び、考え続けてきました。農業、エネルギー情勢、金融、税財政、自動車産業、通商、日米・米中関係など、折々に夢中になるテーマがありましたが、一貫して抱いてきたのは、日本という国やその民主主義のありようについて考えてみたい、ということだったように思います。
仕事で大切にしていること
まず、初心を忘れないということ。そして、目の前で起きている事象について、地に足のついた取材と空から俯瞰する考察(歴史的視点や世界的視野)の双方で捉えることです。そうした努力を通じ、ゴーギャンの絵のタイトルのように「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」を読者が考える一助になるような記事を少しでも書ければ、と願ってきました。
アメリカのジャーナリスト、デビッド・ハルバースタムが "I've been paid to learn, to ask questions, to think. What could be more enjoyable and more rewarding than that?" と書いています。私も、この仕事を続けてこられたことへの感謝の念を常に持ち続けたいと思っています。
著作
- 『デモクラシーの現在地 アメリカの断層から』(みすず書房、2022年)
- 『分極社会アメリカ』(朝日新書、2021年)=共著
- 『ルポ 税金地獄』(文春新書、2017)=共著
論文・論考
- 『「貿易戦争」の核心』:マシュー・C・クレイン、マイケル・ペティス『貿易戦争は階級闘争である
格差と対立の隠された構造(みすず書房、2021年)巻末解説 - 『労働者重視で支持拡大 ライトハイザー通商戦略のしたたかさ』(都市出版「外交」VOL.63、2020年)
- 『トランプ政権対中強硬政策の基盤』(都市出版「外交」VOL.52、2018年)
- "The Case for Japan's Energy Strategy after the Shale Revolution (AJISS [The Association of Japanese Institutes of Strategic Studies]-Commentary, 2013)