第3回「ガーシー」の手元は伏せたが 今も残る「見せ物」意識と日本の歴史
華野優気
「ガーシー」と呼ばれた元参院議員が現れると、詰めかけた報道陣は一斉にフラッシュを浴びせた。
2023年6月4日、成田空港。海外から帰国し、暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)の疑いで逮捕状を執行された直後だった。
十数人の捜査員らに付き添われ、手元には手錠と腰縄。朝日新聞を含む報道機関は、その部分が見えないよう写真をトリミングしたり映像にモザイクをかけたりして報じた。
手錠・腰縄姿を「むやみにさらすべきではない」という意識は、報道の世界にも存在する。だが刑事裁判の法廷では、なかなかその配慮がなされない。
なぜなのか。
ヒントを得ようと、手錠・腰…
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- 【視点】
無罪推定が働いているはずの法廷で、刑事被告人が(特段の申し入れがない限り)手錠腰縄で出廷する慣習は、刑事被告人に対する人権や尊厳保障の観点から大いに問題である。こうした運用の背景には、逮捕拘束自体をある種の制裁とみなし、その時点であたかも犯
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