第4回1日1千円、合計月3万円台…違法認定された生活保護費の満額不支給

有料記事

編集委員・清川卓史

 生活保護費を「1日1千円」などと分割で支給。そのうえ、合計額はその月に渡すべき最低生活費を大きく下回る――。

 群馬県桐生市の生活保護行政に関する問題が発覚したきっかけは、この「分割・満額不支給」問題だった。

 生活保護を利用する男性から相談を受けた故・仲道宗弘司法書士が問題視し、群馬司法書士会は市長あてに要請書を提出した。昨年11月のことだった。

1日1千円ずつ窓口で渡す

 要請書などによれば、この男性は市の職員からハローワークで求職活動をすることを指導され、ハローワークに行った証明を見せることで、1日1千円ずつ市の窓口で保護費を受け取っていた。

 この男性の場合、生活費にあたる生活扶助費は月約7万円だが、分割で受け取っていた金額は3万円台にしかならなかった。指摘を受けて市は未支給分を男性に支払ったという。

 市は、この件を「不適切事案」と表現してきた。しかし仲道さんは、法で決められた金額を支給しないのは「違法行為」だとして、厳しく市を追及した。

 その後、県が実施した特別監…

この記事は有料記事です。残り1308文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
清川卓史
編集委員|社会保障担当
専門・関心分野
認知症・介護、貧困、社会的孤立
  • commentatorHeader
    本田由紀
    (東京大学大学院教育学研究科教授)
    2024年11月18日16時19分 投稿
    【視点】

    11月16日のこの連載の第1回では、「厳しい指導をした管理職がいたとの話もあった」「最低生活費未満の収入でも、頑張れる人はいるとの話もあった」という調査結果が記されている。詳細が明らかになればなるほどめちゃくちゃであったことがわかる桐生市の

    …続きを読む