「男の子はお母さんに育てられる」 静岡県知事発言の裏にある問題は
静岡県の川勝平太知事が表敬訪問に来た女子サッカーチームの選手らに「男の子はお母さんに育てられる」と語った問題は、県議会などでも議論が深まらないまま、うやむやになろうとしている。知事も撤回や修正をしていない。「子育ては女性の役割」とも受け取られかねない発言が地域社会に与える影響や課題はないだろうか。ひとり親支援に携わるシングルマザーの女性と、家族や子育てに関わる研究をする専門家に聞いた。
ひとり親支援団体代表・田中志保さん「意思決定の場に女性が少ない」
離婚して、中学2年生と3年生の子育てをしているが、親や近所の人たちなどのサポートがあって育児ができている。子どもが通う中学は1クラス10人ほどの小規模校でも、シングルファーザーや祖父母に育てられる子がいる。両親そろった子ばかりではないのが実態だ。
保護者がいない子どもなど、社会的養護の重要性が言われているなかで、知事の発言は昭和の時代からアップデートされていない。子どもを真ん中にして社会で育てようと「こども家庭庁」がつくられたのに、それに逆行する発言で、「母親が子育てを担うべきだ」という意識が根底にあるのではないか。
知人の女性が議員をしている…
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