武者小路実篤も書いた「月刊京都」 地元から少しディープに情報発信

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筒井次郎
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 春の桜に夏の祇園祭、秋の紅葉、冬の初詣――。四季を通じて見どころが尽きない京都の最新の観光情報を、戦後まもなくから紹介し続ける月刊誌がある。地元・京都の白川書院(京都市左京区)が発行する「月刊京都」だ。

 1950年に創刊し、今年で74年。今月発売の4月号で、通算873号となった。半分の50ページを充てる特集は「隠れた桜名所案内」だ。ソメイヨシノが太鼓橋を彩る六孫王(ろくそんのう)神社(南区)や比叡山を借景にした正伝寺(北区)など、通好みの名所の美しい写真が心を癒やす。

 「軽くディープなところを紹介するのが月刊京都なんです」と企画編集部の高瀬公博部長(63)は語る。隠れ里や塔を背に咲く風景など、ほかにも地元だからこそ発信できる情報が満載だ。

 「日本のふるさととしての京都の観光と美術の随筆誌」。創刊号の編集後記にはそう書かれている。作家の武者小路実篤、版画家の棟方志功作庭家重森三玲(みれい)……。執筆陣には、京都を愛する多くの文化人が名を連ねた。

 ところが、79年に最大のピンチが訪れる。オイルショックなどの影響で負債を抱え、3月号(通算334号)で当時の会社が倒産したのだ。

記事の後半では、倒産から復活し、部数を伸ばしていく様子を紹介しています。

 それを救ったのが、執筆者の…

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