中学英語「難しくなりすぎ」の実態 苦手の子増え、学力差が拡大か

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植松佳香 塩入彩 高浜行人

 2021年度に始まった中学校の新学習指導要領で、英語の内容が格段に難しくなり、生徒に英語嫌いが増え、学力格差も広がっている――。教育現場で、そんな見方が定着しつつあるという。新指導要領で3年間学んだ生徒が卒業を迎えた今、現場の課題を探った。(植松佳香、塩入彩、高浜行人)

 「Can you cook curry?」(カレーを作れますか)

 東京都渋谷区の区立笹塚中学校で昨年5月にあった1年生の英語の授業。15人の生徒たちが「can」を使った会話の練習をしていた。

 「can」は以前は中1の終わりに習っていたが、入学間もない時期に扱うように。高校で習っていた仮定法や現在完了進行形を中学で教えるなど、文法の学習事項が前倒しになっている。

 長沢理世教諭は英語の新指導要領について「内容が濃く、レベルが以前より上がった」と指摘。「家庭学習も頑張ってもらわないと、授業のみでは限界もある」と話す。

新指導要領で単語数が急増 実質2倍も

 新指導要領で、中学で扱う単…

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この記事を書いた人
高浜行人
東京社会部|教育班キャップ
専門・関心分野
学校教育、受験、教育行政
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    長野智子
    (キャスター・ジャーナリスト)
    2024年3月19日10時30分 投稿
    【視点】

    あくまで英語はコミュニケーションのツールであって、楽しく色々な国の人と意思疎通をできるために習得するものだし、義務教育のすべきことはむしろ「生徒が英語を好きになり楽しめること」ではないでしょうか。ところが教育現場では本末転倒な事態が起きてい

    …続きを読む