名目GDPは591兆円で世界4位に 実質は2期連続のマイナス成長

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米谷陽一
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 2023年の国内総生産(GDP)は、物価の影響をふくめた名目GDPが前年より5・7%増え、591・4兆円だった。米ドルに換算すると1・1%減の4・2兆ドルで、ドイツ(4・4兆ドル)に抜かれて世界4位に転落した。1968年に西ドイツ(当時)を追い越して以来、55年ぶりに日独が逆転した。

 内閣府が15日発表した。コロナ禍からの回復で消費や輸出が伸び、物価高もあって日本の名目GDPは過去最高になった。物価の影響をのぞいた実質GDPも1・9%増え、ともに3年連続のプラス成長になった。

 名目GDPでドイツに抜かれたのは、円安の効果が大きい。23年の平均為替レートは1ドル=140・5円で、前年の平均より9円ほど円安になった。また、ドイツは日本よりも物価高が激しく、それに伴って23年の名目成長率が6・3%だったことも影響した。

 ただ、より深刻なのは、日本経済の長期低迷だ。ドイツは日本の人口の3分の2しかないが、国際通貨基金(IMF)のデータをみると、00~22年の実質成長率はドイツが平均1・2%なのに対し、日本は0・7%にとどまる。

 三菱UFJリサーチ&コンサ…

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    加谷珪一
    (経済評論家)
    2024年2月15日10時13分 投稿
    【解説】

    GDPがドイツに抜かれたことで、国内では「為替が原因である」「物価の違いだ」など事態を矮小化しようとする議論が活発になっています。ストレートに申し上げますが、ドイツが日本のGDPを抜いたのではありません。世界の中だけで日本だけが成長しておら

    …続きを読む