安倍派ラスト総会 「幹部は議員辞職しろ」 5人衆らに厳しい声

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今野忍 小木雄太
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 2000年代前半から栄華を誇ってきた自民党最大派閥の安倍派(清和政策研究会)が1日、最後の総会を開いた。18年以降の5年間で、派閥ぐるみによる7億円近い裏金作りが発覚。田中派の金権政治を否定して生まれた、「清廉」を旨としたはずの派閥が裏金事件で終幕を迎えるのは政治史の皮肉と言えそうだ。

 総会冒頭、集まった70人ほどの議員を前に座長の塩谷立氏がマイクを握った。

 「清和研は1979年、福田赳夫元総理の下でスタートして、今年でちょうど45年。歴史ある清和研を閉じなければならない、まさに断腸の思いだ。一昨年、(安倍晋三元)総理が急逝され、その遺志を継いで、結束と協力をもって運営してきたが、このような事態になって誠に残念、無念の思いだ」

 清和研は福田氏が創設した「清和会」が源流だ。「政清人和(まつりごと清ければ人おのずから和す)」という故事から、「清廉な政治は人民を穏やかにする」という意味を込めて命名されたと言われる。後に首相に就く森喜朗氏が98年に現在の名に改めた。

 党内では長らく、非主流派の存在で「冷や飯食い」の時代が続いた。田中角栄元首相の派閥や、その流れをくむ竹下登元首相の「経世会」が最大派閥として君臨していたからだ。

 そして00年代に「清和会支配」の時代が幕を開ける。森氏、小泉純一郎氏、安倍氏、福田康夫氏の4人の首相を生みだし、主流派に躍り出た。小泉氏が「自民党をぶっ壊す」として経世会支配の党内秩序を破壊し、05年の郵政選挙を経て最大派閥に。憲政史上最長となった第2次安倍政権下でさらに勢力を伸ばし、一時期は衆参100人の巨大派閥になった。

 岸田政権では、安倍氏が銃撃されて死去した後も、「数の力」を背景に、官房長官や党三役などの政権中枢を占め、影響力を保ってきた。

 そんな一時代を築いた安倍派…

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    今野忍
    (朝日新聞政治部記者=政局、選挙)
    2024年2月1日17時31分 投稿
    【視点】

    45年続いた伝統派閥の清和研(安倍派)。 衆参100人を抱える最大派閥で、その規模は同じ与党の公明党の2倍以上、野党第1党の立憲民主党にも匹敵しました。  その最後はあまりにあっけない幕切れとなったようです。派閥ぐるみの裏金作りが発

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