ふんどし姿で温泉かけ合い、「大寒」各地で行事

前田基行
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 「大寒」の20日。群馬県内の温泉地では、温泉にまつわる様々な行事が開かれた。

 長野原町の川原湯温泉では、ふんどし姿の男たちが温泉の湯をかけ合う伝統の奇祭「湯かけ祭り」があった。午前5時半すぎ、共同浴場「王湯」前で、紅白に分かれた34人が「お祝いだー」と口々に叫びながら、温泉が入ったおけの湯を豪快にかけ合った。50分近くかけ合い、最後はくす玉を湯で割り、出てきたニワトリを湯の神に捧げた。

 祭りは約400年前、温泉が枯渇した際にニワトリをささげて祈願すると再び湯が湧いた、という故事にちなむ。新型コロナ下での中止をはさんで4年ぶりの開催。総大将を務めた篠原健さん(47)は「人数が少ない中で、いい祭りができた。途切れることなく続けていきたい」と話した。

 中之条町四万温泉では、温泉の恵みに感謝する「湯立祭(ゆだてさい)」があった。四万温泉発祥の地とされる「御夢想(ごむそう)の湯」前で神事を行い、温泉まんじゅうや甘酒、上野村のイノブタ汁が振る舞われ、大勢の観光客が列をつくった。

 草津町草津温泉では、アイスキャンドルで夜の温泉街を照らすイベントを19、20の両日に開催。湯畑から西の河原公園につながる通りに、北海道下川町で制作されたアイスキャンドル約300個を並べ、訪れた人たちが幻想的にゆらめく光の中を巡った。

 19日は午後5時に明かりがともされると、辺り一体が柔らかな光で包まれた。県内から友人同士で訪れた木村虹海さん(21)と六本木友唯さん(21)は「きれいですね。インスタ映えしそう」と見入っていた。(前田基行)

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