三鉄、赤字が過去最大見通し 今年度7億円超 燃料費など高騰で

杉村和将
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 三陸鉄道岩手県宮古市)は14日に取締役会を開き、2023年度の経常損益が過去最大の約7億1200万円の赤字になる見通しを明らかにした。来年が開業40周年となり、さまざまなイベントで利用増につなげたいという。

 4~10月の利用者は前年同期比3・9%増の約39万7千人。沿線の少子化で定期利用が約22万人(前年同期比3・5%減)と減る一方、観光客など定期外利用が約17万7千人(同14・7%増)となった。

 NHK連続テレビ小説「あまちゃん」再放送の影響で宮古―久慈間の利用は同10・4%増に。台北と花巻空港を結ぶ定期便が5月に再開後、台湾の利用客が約2千人乗車したことも全体の利用増につながった。

 しかし、修繕費や燃料費高騰の影響が大きく、今年度の経常赤字は過去最大規模に達する見込み。補助金などの特別利益を加えても、当期損益は約3200万円の赤字が見込まれる。

 三鉄は来年、開業から40周年を迎える。石川義晃社長は「記念の年に向けて、全線にわたって乗って頂ける魅力的な企画をつくっていきたい」と話し、4月13日に記念式典を予定していることを明らかにした。(杉村和将)

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