世界の原発容量「2050年までに3倍」宣言 米仏など、日本も賛同

ワシントン=合田禄 ドバイ=市野塊 竹野内崇宏
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 米エネルギー省は2日、「世界全体の原発の発電容量を2050年までに3倍に増やす」との宣言に、日本を含む22カ国が賛同したと発表した。温室効果ガスの排出を減らす対策の一環として、国連の気候変動会議(COP28)に合わせた。

 この宣言には、米日のほか、英国やフランススウェーデンフィンランド、韓国、COP28議長国のアラブ首長国連邦(UAE)などが賛同した。「今世紀半ばまでに、温室効果ガス排出の実質ゼロを達成する上で、原子力は重要な役割を果たす」とし、世界全体の原発による発電容量を20年比で3倍にするという目標を掲げている。

 米エネルギー省のデービッド・ターク副長官は11月30日の会見で「クリーンなエネルギー生産のなかでもかなり大きな割合を占め、24時間で発電している」と指摘。ターク氏は「各国で政策や手段は異なる。次世代型原発の小型モジュール炉(SMR)もあり、核融合にも注目が集まっている」と将来の可能性を強調した。

 世界原子力協会によると、世界全体では23年時点で436基で、発電電力の約10%をまかなっている。原発の占める割合が6割を超えているフランスや、かつては3割超だったが現在は1割以下となっている日本など、各国の状況は違う。発電量は米国が最も多く、中国、フランスと続いている。

 原発による世界の発電量は11年の福島第一原発の事故以降、やや落ち込んだが、現在は回復傾向にある。特に中国での複数の新設が進んで、エジプトでも新たな建設が始まっている。(ワシントン=合田禄、ドバイ=市野塊、竹野内崇宏)

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