石破首相、WTO提訴の可能性否定せず「まずは二国間交渉優先」
トランプ米大統領の関税措置への対応をめぐり、石破茂首相は14日午前の衆院予算委員会で、世界貿易機関(WTO)への提訴について「可能性は否定しない」としつつ、米国との二国間交渉を優先する考えを示した。立憲民主党の後藤祐一氏の質問に答えた。
米国の関税措置に対しては、中国やカナダがすでにWTOに提訴している。岩屋毅外相はWTO違反ではないかと問われ、「我が国としてはWTO協定との整合性に深刻な懸念を有している」と述べた。
今後の日本政府としての対応について、首相は「国益を実現するために必要な手段は考えておかなければならない」とし、提訴の可能性を否定しなかった。一方で「二国間の交渉をいかにして成功裏に導くかに重点を置いて対応してまいりたい」とも述べ、まずは米国との交渉に注力するとした。
首相はまた、今月7日夜にトランプ氏と電話会談した際、「日本で米国の車が1台も走っていない」「コメに700%の関税がかかっている」と不満をぶつけられたことを明らかにした。そのうえで、首相は「(トランプ氏が)なぜそのような主張をするに至ったのかを理解しないままに、『あなたの言うことは間違いだ』と言うのが同盟国の振る舞いだとは思わない」と強調。今後の交渉について「これ以上ないほどの精緻(せいち)な分析をして臨んでまいりたい」と述べた…