第3回同性愛は親不孝? 「らしさ」から解放された僕、変わろうとする親

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花房吾早子

 夜勤を終え、朝5時に帰宅した。おなかを満たそうとダイニングに行くと、一緒に暮らす母が起きていた。

 「あんた、結婚して、孫の顔見せてな」

 また始まった。もう何回目だろう。

 言葉遣い、選ぶ文房具、写真の写り方、好きな歌手……。母から「男の子らしくない」と否定され、軌道修正されてきた。

 地元・広島市の大学を卒業し、書店に就職して1年。これからもずっと言われるの? ごまかし続けるの? 一瞬、自問自答し、疲れに任せて口にした。

 「無理かもしれん」

 僕は男性が好き。驚いた母が、質問攻めにした。

 「いつからなん?」「治らんの?」

 しどろもどろに答えると、母は食い下がった。

 「どうしても女の人と結婚できんの?」

 できない。女性と付き合って…

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この記事を書いた人
花房吾早子
大阪社会部|平和・人権担当
専門・関心分野
原爆、核廃絶、ジェンダー、LGBTQ+