終着駅にならないように 存廃揺れる100周年、記念行事に願い込め

有料記事線路は続くか

西本秀
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 今年12月に開業100周年を迎えるローカル線の駅が揺れている。中国山地の山あいを走る芸備線の備後庄原駅(広島県庄原市)。JR西日本が今月、存廃協議を国に要請した対象区間の起点となる駅だ。

 「100周年とタイミングが重なるなんて」――。記念式典を準備してきた地元はお祝いムードに水を差され、戸惑いを隠せない。

シリーズ 線路は続くか

ローカル鉄道の存廃問題。現場を歩き、関係者へインタビューを重ねて深めます。

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 「祝100周年」

 備後庄原駅の木造駅舎の入り口には、節目を祝う太文字の看板が掲げられている。開業は1923(大正12)年12月8日。広島市と県北部を結ぶ当時の私鉄「芸備鉄道」が延伸して設けられた。東京などを襲った関東大震災の3カ月後のことだ。

 広島県の北東部にある庄原市は、島根、鳥取、岡山の3県に接する県境のまちだ。駅周辺に起伏のある丘陵が広がり、近くに日本海に通じる西城川が流れる。人口3万2千人のうち、44%余りを高齢者が占める中山間地域だ。

 駅は当時、都会で燃料として…

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