エコマンションなのに…住民提訴 断熱性能や遮音で「施工不良」訴え

興津洋樹 伊藤隆太郎
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 「地球環境に配慮した最新のエコシステム」などとうたって販売されたマンションにも関わらず、施工に不備があったとして、住民が販売会社のなどを相手取り計8千万円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁小倉支部に起こした。

 マンションは、2017年11月に完成した北九州小倉北区の「シティガーデンBONJONO」。市が環境モデル都市として整備を進める「城野ゼロ・カーボン先進街区」に立地し、市から冷暖房などの効率が良い「低炭素建造物」に認定されている。

 訴状によると、このマンションは施工図では断熱材の厚みが天井で80ミリ、外壁で40ミリとされていたが、調査会社の調べでは厚みが不足しており、断熱性能が不足していると指摘。

 また、遮音のために設置された石膏(せっこう)ボードにも欠陥があったり、台所の排気ダクトの形状などで市の条例基準を満たしていなかったり、などの不備があると主張している。

 原告は8世帯9人で、9月29日に販売会社の東宝ホーム(北九州市)などを相手に提訴した。会見した原告の男性は「行政も絡んでいて安心だと思い購入したが、入居後すぐに異常なほどの生活音や振動を感じた。安心して暮らせるようになりたいと思い、集団提訴に至った」と話した。

 東宝ホームは今年4月に住民に示した「弊社見解」とする文書で、「現状の施工状態で断熱上の不備はないものと考えております」などと答えている。

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この記事を書いた人
興津洋樹
西部報道センター|北九州担当
専門・関心分野
人権・平和、暮らし、歴史、九州