【そもそも解説】日銀が金融緩和をする理由は?なぜ緩和策を修正?

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女屋泰之

 日本銀行は31日に開いた金融政策決定会合で、長期金利を抑え込む政策「イールドカーブ・コントロール(YCC)」の柔軟化を決めました。植田和男総裁は会見で、2%の物価安定目標は達成されていないとして、今後も粘り強く緩和を続ける姿勢を強調しました。そもそも、なぜ日銀は金融緩和を続けているのでしょうか。

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 Q 日本銀行は何のために金融緩和(かんわ)をしているのか?

 A 日銀は、日本経済が力強さを欠いているとみていて、緩和で経済活動を活発にしようとしている。具体的には企業(きぎょう)や個人がお金を借りやすくなるよう金利を低くした。企業は通常、銀行からお金を借りて工場を建てたり、新商品を開発したりしている。住宅を買う人も同じようにお金を借りている人が多い。金利負担を小さくして、こうした投資や購入(こうにゅう)を後押(あとお)しするのがねらいだ。

 Q 日銀の緩和は「異次元」とも言われる。

 A 2013年から始めた今の緩和は、金利を大きく下げるために国の借金である「国債(こくさい)」をたくさん購入したり、株価を支えるために投資信託(しんたく)を買ったりした。物価が下がり続け、経済成長が鈍(にぶ)い日本経済を変えるため、先進国の中では珍(めずら)しい規模や思い切った政策を導入した。

 Q 効果はあったのか?

 A 日銀は経済が活発になれ…

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