「苦渋の決断」そごう・西武労組スト決定 競合の業界労組も「共闘」
百貨店そごう・西武の売却をめぐる混乱が、業界で60年ぶりのストライキの実施につながる異例の展開となった。2日前にストを通知した労働組合はギリギリまでスト回避の道も探ったが、売却を急ぐ親会社との決裂が決定的になった。
「残念ながら(売却の決議を取りやめるとの)確認がとれませんでした。苦渋の決断となりますが、ストライキの実施を判断いたしました」。そごう・西武労組の寺岡泰博委員長は30日、組合員らにこうメッセージを送り、スト実施へ団結を呼びかけた。
売却後の事業継続や雇用維持に向け納得のできる説明が得られていないとして、組合が会社側にストを通知したのは28日。親会社のセブン&アイ・ホールディングス(HD)に対し、31日の売却決議を見送ればストは回避すると伝え、回答期限を29日に設定していた。だが、セブン&アイは決議を強行する方針を変えなかった。
売却の実行は、労組や池袋本店の地元などからの反発で、すでに半年以上遅れている。業績や信用の低下を招きかねないストを打たれてまでも、セブン&アイが売却実行を急ぐのは、売却の遅れがそごう・西武の企業価値を毀損(きそん)するという焦りがあるからだ。
ストの通知を受けてセブン&…
【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら