届かなかった声がようやく かつてジャニーズ事務所に被害訴えた男性

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編集委員・大久保真紀
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 ジャニーズ事務所の創業者・故ジャニー喜多川氏(2019年死去)の性加害問題をめぐり、被害救済の必要性などを指摘した国連作業部会の8月4日の記者会見。その様子を見て「うれしすぎて涙も出なかった」と話す男性がいる。

 過去に2回、事務所などに被害を訴えたが、門前払いにされたというイズミさん(56)=仮名=だ。

 イズミさんも参加する「ジャニーズ性加害問題当事者の会」のメンバー7人は4日、作業部会の会見が行われた日本記者クラブの別室で待機し、画面越しで会見の様子を見ていた。

 作業部会の委員が声明を読み上げていったが、なかなか性加害問題は取り上げられない。「これで終わってしまうのか?」。ほかのメンバーと顔を見合わせた。

 「タレント数百人が性的搾取と虐待に巻き込まれるという、深く憂慮すべき疑惑が明らかになった」。そう言及されたのは、会見が始まってから1時間を過ぎてから。透明な捜査や、被害者の実効的救済の確保の必要性を訴える内容に、「やっと声を聞いてもらえた」と胸がいっぱいになった。涙を見せるメンバーもいたが、イズミさんは「うれしすぎて、涙も出なかった」。

 中学1年のときにオーディシ…

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