「呑み鉄」六角精児さんも祝福 災害乗り越え、只見駅開業60年

斎藤徹
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 JR只見線の只見駅開業60周年を祝う記念イベントが20日、福島県只見町であった。地元住民や「呑(の)み鉄」として知られる俳優の六角精児さんが、災害など苦難を乗り越えてきた「秘境駅」の「還暦」を祝った。

 只見町などでつくるJR只見線利用促進実行委員会が企画した。只見駅前では午前9時過ぎ、駅に到着した会津若松発の2両編成列車を、多くの地元住民が歓迎した。

 只見駅は、田子倉ダム建設の貨物専用鉄道の駅を国鉄が譲渡を受け、1963年8月20日に会津線の一般駅として開業した。71年には只見線に統合され、地域住民や観光客に利用されてきた。

 只見線は2011年7月の新潟・福島豪雨災害で会津川口―只見駅間が不通になったが、昨年10月、駅舎や鉄道を福島県が保有する上下分離方式で再開した。

 町内で開かれた記念イベントでは、只見線を「こよなく愛する」六角さんがトークとライブを披露した。

 只見線を「これほどまでに日本の原風景が残っている路線はほかにない」と話す六角さんは、昨年の全線再開について、「正直、復活できるとは思わなかったので驚きだった。沿線住民の思いがJRや国、県を動かした」と振り返った。

 そして「只見線は、全国で存続が危ぶまれるローカル線の道しるべになる。奥会津の力を全国に見せつけてやろうじゃないですか」と語った。

 作詞作曲した「只見線のうた」を歌い、住民と一緒に開業60周年を祝った。

 式典で、只見町の渡部勇夫町長は「全線再開の盛況を一過性のものに終わらせないために、只見駅利用者の利便性向上に努めていきたい」と話した。(斎藤徹)

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