海上自衛隊の潜水艦修理をめぐる裏金接待問題で、川崎重工業への税務調査が終結した。裏金による所得隠しは6年間で約13億円に上り、その他の申告漏れを含めて約10億円を追徴課税されたとみられる。背景に浮かぶのは、多額の裏金作りができるほど防衛予算がだぶついていた実態だ。

 裏金作りに協力してきた下請け会社の社長は、生々しいやりとりを覚えている。

 指を2本立てて、川重の担当者が言う。

 「これだけ使わないかん」

 社長が「2千万円ですか?」と尋ねると、担当者は答えた。

 「ゼロが1個足らん」

 社長はこう振り返る。

 「使わないと翌年の予算が減らされる、裏金を作ってでも使いきらんとあかん、ということだったのではないか」

 癒着はなぜ暴かれたのか。関係者によると、ある税務署による調査がきっかけだった。

 個人事業主への調査の一環で入…

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