落ち武者や幽霊も「話を聞いて」と寄ってくる 女性怪談師の語りとは

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佐藤太郎

 暗がりの中で、時おり小さなろうそくの炎が妖しく揺れる。あかりの奥で、和服姿の女性が話し始めた。地元の桜とからめながら、源頼朝の弟・範頼の不運で悲しい歴史を淡々と紹介する。観客は固唾(かたず)をのんで静かに聴き入った――。

 7月2日、埼玉県北本市文化センター展示ホール。怪談師、北城椿貴(つばき)さん(34)のイベント「北本怪談がたり」が開かれていた。

 その土地にまつわる歴史や言い伝えなどを交えながら語る北城さんの怪談が、人気を呼んでいる。なるべく現地に出向き、関係者から話を集める手間ひまも、作りものではない怖さを伝えることに役立っている。

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