麻生氏、台湾海峡情勢巡り「戦う覚悟だ」 台北での講演で抑止力強調

台北=白見はる菜
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 台湾を訪問している自民党麻生太郎副総裁が8日、台北市内のホテルで講演した。中国の軍備増強を前に、台湾海峡の「平和と安定」の重要性を強調し、「日本、台湾、米国をはじめとした有志の国に、非常に強い抑止力を機能させる覚悟が求められている。戦う覚悟だ」との考えを示した。

 麻生氏は講演で、台湾海峡をめぐる情勢について、軍事演習などを行う中国の動きに警戒感を表明。「台湾海峡の平和と安定は日本はもとより、国際社会の安定にも重要」との認識を示したうえで、「最も大事なことは、台湾海峡を含むこの地域で戦争を起こさせないことだ」と語った。

 岸田政権内では、中国が台湾に侵攻する「台湾有事」への懸念があることを踏まえ、麻生氏は「金をかけて防衛力を持っているだけではだめ。台湾海峡の安定のために使う明確な意思を相手に伝えて、それが抑止力になる」と主張。「日本の毅然(きぜん)とした態度は岸田政権以後も変わらない」と述べた。

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    たかまつなな
    (笑下村塾代表)
    2023年8月9日11時26分 投稿
    【提案】

    今回の麻生氏の発言は挑発的であるし、もっと慎重に発言をすべきだったと感じました。アメリカも台湾を防衛するかどうかについて意図的に不明確にする「戦略的曖昧さ」を外交方針としてとっています。抑止力は確かに大事ですが、この中で麻生氏の発言はあまり

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    岩尾真宏
    (朝日新聞名古屋報道センター長代理)
    2023年8月8日16時55分 投稿
    【視点】

    麻生氏がいかに「戦う覚悟」を持とうとも、実際に戦いとなれば、一般国民も巻き込まれる可能性があることは言うまでもありません。為政者として、勇ましい言葉を口にして、心地よく感じているのかもしれませんが、挑発的な言葉を繰り出すことは、いたずらに緊

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