13億人が使うスーパーアプリ 中国社会が拒み続ける「あの機能」

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北京=斎藤徳彦

 中国版ツイッターの「微博(ウェイボー)」での何げない書き込みが7月半ば、異常な閲覧数を記録した。中国版LINEとも呼ばれるチャットアプリ「微信(ウィーチャット)」の機能についてだった。

 「もしも微信に既読機能がついたら、私は友人たちに断罪されるだろうなあ。返信したくないんじゃなくて返信を忘れてるだけだとしても」

 意見の表明と呼ぶにも素朴すぎる書き込みが共感を呼んだのか、全国で瞬く間に広がった。閲覧数は実に5億に達し、「いいね」も8万3千個がついた。

 微信のユーザー数は、2022年末に13億1300万人。中核のチャット機能に加え、お金を支払う機能やそれに付随するタクシー予約、チケット購入などの各種サービスもそろえ、中国人の生活になくてはならない「スーパーアプリ」だ。

 ただ、このチャット画面では「既読」はつかない。自分が送ったメッセージを相手が読んでいるかどうかは、分からないままだ。

 今回、さらに注目されたのは、「もしも既読機能がついたら」のつぶやきが話題となったその日に、微信の運営会社でIT大手テンセントの公式アカウントが、次のようにつぶやいたことだった。

運営元が明かした方針は

 「安心して。もしも、なんて…

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この記事を書いた人
斎藤徳彦
中国総局長
専門・関心分野
国際経済、中国の経済・政治