実はまだデフレ脱却していない 物価高でも、「宣言」に足りないもの

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米谷陽一
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 毎日の買い物や電気料金の請求書を見るたびに実感する物価高だが、政府はまだ「デフレ脱却」を認めていない。状況はデフレではないとしつつ、脱したとは言えないという。2001年の最初の「デフレ宣言」から、はや22年。脱却を宣言する日は来るのだろうか。

 デフレかどうかは、政府が出す景気の公式見解「月例経済報告」で示される。7月の基調判断は「景気は、緩やかに回復している」とし、「消費者物価は上昇している」と明記した。だが政策の基本的態度は「デフレに後戻りしないとの認識を広く醸成し、デフレ脱却につなげる」という。デフレではないが、脱却はしていないという意味だ。

 6月の消費者物価指数(生鮮食品をのぞく総合)は前年同月比3・3%上昇し、22カ月連続で前年を上回った。日本銀行の物価目標2%を大きく超えており、食品などの値上げは秋以降も続く見通しで、しばらく物価が急降下する気配はない。

 政府はデフレ脱却を「物価が持続的に下落する状況を脱し、再びそうした状況に戻る見込みがないこと」と定義する。消費者物価指数をみると、すぐにも脱却宣言できそうに思えるが、実は、ほかに三つの指標をみて、総合的に判断することになっている。

 一つ目がGDPデフレーター

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