これからが本当の始まり 日系4世の元ジャニーズが歌に込めた思い

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平山亜理
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 東京の代々木公園で開かれた「ブラジル・フェスティバル」。15日にステージに上がった日系ブラジル人4世のミュージシャン、カウアン・オカモトさん(27)が自作の歌を心を込めて歌うと、客席からは大きな声援がわき起こった。

愛知生まれの日系ブラジル人 いじめにもあった

 カウアンさんは、出稼ぎとして来日した日系3世の両親のもと、愛知県豊橋市で生まれた。自動車部品などの工場で働く両親はポルトガル語しか話せなかった。病院や役所に行くときは、幼い時から息子が通訳をこなした。

 団地で両親と2人の弟と暮らし。食事も質素で、「うちは日本人みたいにお金はないから」と家族旅行に行くこともなかった。学校では「家のにおいが違う」といじめにもあった。

 日本で暮らす在日ブラジル人は現在21万人ほど。1990年の出入国管理法改正で働ける在留資格が日系3世にまで認められ、来日する人が増加し、定住化が進んだ。

 だが、在日ブラジル人を支援するNPO法人「サビジャ」によると、学校には日本語教育など外国人の子を迎える態勢が乏しく、いじめや差別を受けて不登校になる子や非行に走る子が少なくない。リーマン・ショックでは失業者が増加し、経済的に困窮する家庭も増えたという。

「欠点ではない、それは自分の強みなんだ」

 二つの異なる文化の間にいる…

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